景観形成基本方針などのガイドラインを策定する場合、特定の事業について良好な景観形成となるように誘導する場合など、対象とする地域、対象に応じて固有の条件があり、一律な景観誘導を行なうことは好ましくありません。
景観分析ツールとしては、対象の性格に適した様々な景観分析の方法、そして計画の様々な熟度に対応した最適の景観分析を実行するために対応する必要があり、実際には対象に応じて新しいプログラム(ソフト)を開発するケースがほとんどです。
そして、継続的な景観検討を行なうために、様々なフェーズでデータが継承されて用いることが基本ですが、景観検討のニーズが変化したときにはその検討方法としてのツール自体も変更することが必要で、従って独立した「ソフト」として完成させるよりは、様々なコンポーネンツの組み合わせとして成立しています。
これらのツールを中心としたノウハウの共有と蓄積を図ることで、内容、実体のある「景観シミュレーション」のジャンルを確立することが都市工房の目標の一つとなっています。
これまでは「景観シミュレーション」といっても内容が決まった設計図面、あるいは既存のデータを「プレゼンテーション」として表現するだけの業務が多く見受けられます。これは「CG」が要求されるときに、いわゆるCGプロダクション的な専門業者に依頼されるといったやむを得ぬ事情があります。
都市工房では、そのようなケースにも適切なノウハウを援助することで、より内容のある景観検討を行なうようなパートナーシップを提供します。
これまでに時間とコストが無いために、最も重要な局面で適切な景観検討が実施されないというケースをたびたび目にしました。そのようなことを避けるためには、景観行政などの現場レベルで適切な景観検討が実行できる体制を整えることです。現在、都市工房ではそのための技術開発を進めています。