設計が依頼されたときには、複数街区にまたがる公開空地の設置の代償として、広場の中心に地下駐車場からの車出入り口が無骨にさらけ出されており、「修景造園」的な植栽によりそれを「隠す」ことが提案されていた。発想を転換して、要素を都市の舞台の主役として「見せる」ことで、周辺のビル群のスケールと対峙する存在感をねらった。
宅地、道路との境界を越えたグラフィック的な路面パターンの提案がポイントであったが、ほぼ提案どおりに実現したのは奇跡的であった。道路管理者としては初めての試みで、今回限りであろうというコメント付きの承認であった。駐車場のスロープのかたちを生かして、カスケードが設置されたが、水深の浅い水面がきれいに見えるように、素材としては黒みかげ石が選択された。